水族館で飼育されているイルカは、どこから来たの?
日本水族館協会 (JAA)加盟の水族館はイルカ猟師からイルカを購入し、水族館で展示します。
日本動物園水族館協会(JAZA)加盟の水族館は、野生のイルカの捕獲ではなく、水族館での繁殖などを研究しています。
しながわ水族館 今いるイルカの処遇は未定。またショーに使われる?
2022/5/25 しながわ水族館「新たな計画ではイルカ展示とイルカショーを終了する」について、問合せについて回答あり。
問合せ:イルカたちはどこかに移動するのか、移動先の水族館で ショーに使われることはないのか、決まっていることは何か
回答:
現在しながわ水族館にいるイルカの移送先については、現段階では決まって
おりませんが、他の水族館などに移送する際は、イルカに配慮した移送方法を考えてまいります。
問い合わせ先:公園課みどりの係 鈴木様・榎田様
電話03-5742-6799
FAX03-5742-9127
イルカショーをする水族館へは移動しない、移動先水族館などにおいて、ショーには使わせないなどの決め事をしてほしいなど意見を送ってください。
品川区公園課へのお問い合わせ(メール)
https://www.city.shinagawa.tokyo.jp/cgi-bin/contact_tantou/contact_tantou_01.cgi?dpt=koen
しながわ水族館(メール)
https://www.aquarium.gr.jp/contact/
イルカ追込漁の歴史: 大規模なイルカ追い込み漁の始まりは1969年、目的は展示(太地町史)
大規模追込漁が開始されたのは、わずか50年前
1979 年に出版された「太地町史」によると、イルカの追込漁が最初に行われたのは1933年、続いて1936年、1944年にも行われました。しかし、大規模なイルカ追い込み漁は 1969 年になるまで行われませんでした。イルカ追い込み漁は 400 年の歴史ではなく、51年程 の歴史に過ぎません。
1969 年の追い込み漁の目的は太地町立くじらの博物館でのゴンドウクジラの展示であり、純粋に利益のために行われました。文化とは関係がないものです。 1969 年以降イルカ の追い込み漁と水族館の間に、イルカ売買ビジネスを通して密接な関係の構築が始まりました。(2014年エルザ自然保護の会、PEACE、ヘルプアニマルズ共同で出したプレスリリース文より引用)
日本には水族館がたくさんあり、環境教育施設というより、娯楽施設として定着しています。
水族館の数、国別では日本がトップ
2011年1月の日経新聞報道によれば、国際水族館フォーラム(IAF)が確認している431施設のうち、国別トップは70館の日本、次が61館の中国という内容でした。
2013年に行ったイルカ頭数調査の時点では、水族館の数は103あり、そのうち、イルカを収容している水族館は50%強の54施設、収容していない水族館は49施設でした。イルカ頭数は599頭でした。
死んでもすぐに補充され、水族館は次から次へと作られ、イルカ用の水槽も次々と作られています。
韓国や中国など発展を続けている国々へ、日本からイルカが輸出されています。
イルカの住処は海であり、プールではありません。
展示しない、展示禁止、飼育禁止が進む海外
イギリスには鯨類を飼育する水族館は既になく、北米では70館以上の水族館がイルカなどの鯨類を飼育展示しないと宣言し、北米とオーストラリアには、鯨類の飼育や展示を禁止した州もあります。さらにフィンランド、インド、キプロスなどの国々では水族館へのイルカの輸入を禁止しています。
イルカ猟師と水族館の関係:水族館が自分たちで調達を図っていく場合もあります
ある水族館の話:自分たちでイルカを調達するのは、”間引き”である
日本動物園水族館協会の印刷物(JAZAが追い込み漁で捕獲されたイルカの購入を禁止する前のもの)によると、ある大手水族館は、自分たちで調達する方法は、”間引き”にあたり、資源保護の理念にかなっていると考えています
日本で最初の水族館主導型追い込み漁は1975年 ミナミバンドウイルカ
「沖縄国際海洋博覧会」のイルカショーのため、日本で初めて水族館主導で、追込漁を行いました。捕獲したのは、通常は捕獲してはならないミナミバンドウイルカでした。「沖縄国際海洋博覧会」という大義名分の元、ミナミバンドウをとらえて、収監したのです。捕獲は27人で行われました。
参考: 「海洋博のイルカの空輸作戦が開始された日」(NHK)
イルカ漁師と水族館との共同作業
1997年の水族館資料によると、追い込み用につかう音をだす棒、仕切り網、イケスの準備など捕獲以外の作業を沖縄県の水族館がおこなったり、船をチャーターし、捕獲イルカの水揚げや輸送を漁師とともに兵庫県の水族館がおこなっています。
野生のイルカは1日65km泳ぐ。狭いコンクリート水槽では超音波も使えず自由に泳げない
バンドウイルカは、1日に 65 ㎞ほど泳ぎます。
しかし水族館に入れられると、イルカの環境は一変します。イルカは家族である群れから引き離され、たとえ複数で飼われたとしても、それは寄せ集めの群れでしかないため、正常な社会生活ができず、群れの中で引き継がれる行動も伝えられなくなります。
狭いコンクリート水槽では超音波を使うこともできず、また、自由に泳ぎまわることもできません。
ストレスから様々な病気が引き起こされる
生活の基本である音の世界と自由を奪われ、行動が著しく抑制されることから、ひどいストレスを受け、それが原因で動脈硬化、胃潰瘍、肺炎、腎不全、肝炎、行動障害(攻撃性)、異常行動、無気力、免疫力 の低下などが生じます。特に免疫力の低下によって、さまざまな感染症で死亡する例は珍しくありません。
※2013年7月に「エルザ自然保護の会」と一緒に作成・発行した 水族館はイルカの飼育に適しているか より
調査レポート発行
2013年7月 水族館のイルカ頭数、イルカがどのように調達されるのか、問題点を含めたレポートです。エルザ自然保護の会とヘルプアニマルズ共同で2012年より行いました。
この報告書発行時点では、JAZA(日本動物園水族館協会)に加盟している水族館は追い込み漁イルカの入手ができていました。
以下2013年の調査報告書発行時点の数字です。
・日本の水族館の半分が日本動物園水族館協会 (JAZA)に加盟。
・頭数ベースでは75%が加盟施設。
・日本の水族館の数は104施設。(JAZA への加盟、非加盟の比率は約半々)。
・イルカを収容している施設は54施設、内訳はJAZA加盟している施設が37、非加盟が17施設)、合計で約600頭収容。頭数ベースでは、600頭の約75%がJAZA加盟施設の水族館に収容されていました。
報告書は下記リンクでご確認ください。
調査レポート:日本の施設で飼育されているイルカたち PDF: 1.8MB
2013/7/27 Japan Timesでレポートが紹介されました。
Japan bucks trend: Captive dolphin biz big
2015/9/19 Taiji anchor on dolphin hunts despite increasing pressure